初期のビットコインでは、ユーザーが複数の通貨を同時に追跡するために、ビットコインの会計システムによって資産を発行して、管理できるようにしたプロトコルが急速に開発されました。これらのプロトコルはビットコインのネイティブなプロトコルに対応していませんでしたが、巧妙な手口により実装されました。

カラーコインMastercoin (現在はOmniと呼ばれています) などのビットコインがオーバーレイされた仮想通貨のシンクライアントは、信頼できるサーバーに依存するように強制されました。また、トランザクション手数料はビットコインで支払わなければなりません。これらの性質に加えて、トランザクション承認に単一のパイプラインを使用することによって、ビットコインにおける複数の資産を運用することが難しくなると言えます。

ERC20 規格を採用した イーサリアム では、より豊富な機能があります。しかし、トランザクションの手数料には未だにEtherを必要とします。さらに、イーサリアムネットワークは、ERC20 によって発行されたトークンのニーズに応えるためのネットワーク拡張が上手く行えていません。

三つの基本的な問題

根本的な問題は、リソース、インセンティブ、そして関心という3つに分けることができます。リソースという観点からすれば、まったく新しい通貨を同じ台帳に追加するということは、バンド幅、メモリープール、およびブロック空間を共有する2つの独立した UTXO(未使用トランザクションアウトプット)セットを持つことを意味します。またこれらの通貨の取引を組み込むコンセンサスノードは、その責任を負うインセンティブを必要とします。加えて、その仮想通貨を利用しているすべてのユーザーが特定のエンティティの通貨に対して関心を持っているわけではありません。

これらの問題を踏まえて、複数の資産が運用可能である台帳の主要トークンが橋渡し通貨として効果的に機能し、それによって分散型市場の形成を可能にすれば、そのメリットは計り知れません。これによって、さらに機能を向上させるような特殊な目的を持った資産を発行することができます。例えば、融資および送金業務に役立つTetherMakerDAOのような安定価値資産の発行です。

カルダノは複数の資産の相互運用を可能にするために実践的なアプローチを採用しています。最初の課題は、何千ものUIAのニーズに応えるために必要なインフラストラクチャを設計することです。これには以下のアップグレードが必要となります:

  1. 大規模なUTXOの追跡を可能とする専用の認証データ構造
  2. 膨大な量の保留中トランザクションを格納するための分散型メモリープール機能
  3. 巨大なグローバルブロックチェーンを可能とするためにブロックチェーンの パーティション分割およびにチェックポイントの配置を行う
  4. コンセンサスノードが異なるトランザクションセットに取り組むことに対するインセンティブの仕組み
  5. ユーザーに任意の通貨の追跡を可能とする閲覧機能
  6. UIAがネイティブの資産と同等のセキュリティを享受する
  7. UIAと主要トークン間の流動性を向上させるような分散型市場を形成するための支援

正しい認証データ構造を発見するための予備的な取り組みにより、IOHKとWavesのLeo Reyzinが共同開発した新しいタイプのAVL木が考案されました。さらなる研究が必要となりますが、これはカルダノに後に導入されることになる基礎的なアップグレードです。

分散型メモリープール は、スタンフォード大学の RAMCloud プロトコルを使用して実装することができます。このプロトコルをカルダノのコンセンサス層へ統合することを検討するための実験は、2017年第3四半期に開始される予定です。

残りのトピックは今後の継続的な研究によって進められます。その成果如何によりますが、2018年に公開されるBasho of CSLの時期に、我々はカルダノにUIAのためのプロトコルを実装する予定です。

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